察する文化

ねぇ

なに?

……

え?

……

え、話しかけといて無視?
怖いんだけど



ダメか。

なにが?

日本人は察する文化って聞いたから。

察するのが得意のかと思って。

2号で実験した。

人で実験すんなよ。

それで、俺は何を察すれば良かったの?

模範解答は「1号様、お疲れのようですので私めが馬になって運んで差し上げたく存じます」

そんなこと察っせるか。

え、っていうか1号って疲れるの?

いや、別に。

じゃあ、察するの無理じゃん。

あぁ、そうだったな。

ねぇ

何?

察してほしいのか?

うん。

しかたないな。

2号様、お疲れのようですので私めが馬になって運んで差し上げたく存じます。

いや、違うから。

馬になって運んでほしいなんて思ってないからね。

わがままなやつだな。

またか?

うん。

わかった。

お?わかった?

今度は正解できるといいけど。

いや、それはどうでもいい。

え。

実験の結果、

察するのが得意なわけではなく、

察してほしい空気を作るのが得意。

結果的に相手は察しざるをえない。

その行為が繰り返し行われた結果、

日本人の察する文化が生まれたんだろう。

つまり、お前がただの察してほしい構ってちゃんってことがわかった。

え、結果的に俺がディスられてない?

……

「そうだ」って言いたそうな顔してるな。

今度はきちんと察せられたな。

えらいぞ。

それは察したくなかったな・・・