「東京」という曲名をYoutubeで165曲探して聴いてみた

さてさて3月だ。この時期といえばやっぱりレミオロメン。キノコ派とタケノコ派がいるように、3月9日派と粉雪派に分かれることでしょう。みんなはどっち?俺はやっぱり、アンダーグラフのツバサ派。もしくはスムルースの冬色ガール派。
平成で止まってる俺の流行。諸行無常。yeah。

みんなこの季節はこぞってツバサります。ツバサるとは?旅立つ空に出会いと別れです。もしくは生まれた街とサヨナラ決めて「いつか会いに来る」と「いつも忘れない」と手を振る君の瞳も言えないことです。分からなかった人は野ブタパワーを注入しながら青春アミーゴしてきてください。

さて、アンダーグラフはいったん頭の中の消しゴムで消しちゃって本題に入ろうか。

この季節といえば、やっぱり上京だよね。コロナで上京とか言える状況でもないんだけどさ。オールドファッションでステレオタイプ(無駄に横文字)な価値観としては地方の新大学とか新社会人が一念発起して東京にいざゆかん!みたいな考えあるよね。そういったスピリッツが色濃く現れるのはやっぱり歌の歌詞だと思うの。ってわけで今回は「東京」という曲名の歌をYoutubeで検索して歌詞の内容とかを分析してみようじゃないか。

曲名が「東京」Youtube動画アーカイブ

https://wakabatimes.com/special/2021/03/03/19642/

とりあえずYoutubeで165曲調べてまとめて検索できるようにしてみた。曲名は漢字の「東京」アルファベットの「Tokyo」「TOKYO」、カタカナの「トーキョー」、ひらがなの「とうきょう」が対象だ。「東京●●」とか「●●東京」「TOKIO」は枚挙にいとまがなくなるので、今回は対象外とする。配分としてはこんな感じ。

曲名の割合

ほとんどが漢字の東京だ。次点でアルファベットのTOKYO、Toyko、tokyoだ。アルファベットも細かく見て行くとTOKYOが24曲、Tokyoが14曲、tokyoが1曲と大文字の数が多ければ多いほど曲名に使われている。もっとざっくりと分類して漢字の東京とそれ以外だったら7:3の割合になる。これは偶然にもビールの泡の黄金比率と同じだ。でもビールの泡ってそんなに必要なのかって思わない?だって缶ビールそのまま飲んでも美味しいじゃん。あれ泡0でビール10だよ。なんで注ぐ時だけ泡3も出さなきゃならんねんってなる。我ながらすげぇどうでもいい話。

次は年代の割合を見てみよう。これは単純にYoutubeに動画がアップされてるかどうかって話だと思うけど一応。

アップロードされた曲の年代

当たり前だけど圧倒的2010年代の多さよ。これは単純にYoutubeが2000年代中頃から始まって、それ以降から公式・非公式問わずいろんな楽曲がアップロードされるようになったってだけよね。Youtubeに無いだけで東京って曲は他にもあるわけだし。浜田省吾の「東京」とかは1980年代リリースだけど見つからなかった。1970年代もさすがに1曲なわけないでしょ。グループサウンズの時代にもたくさんありそうな気もする。だから年代でまとめても特にこれといって意味はありません。次行ってみよう。

上京してるかどうか

ここから歌詞の内容にフォーカスしてみる。まずは冒頭でも触れた「上京」についてだ。自分なりに曲を聴いて歌詞の内容を咀嚼した時に「あ、これ上京中だな」とか「上京後の心情だな」とか「上京する知人に向けたメッセージだな」とか思ったものをまとめる。

約2割くらいの楽曲が上京関係の曲を歌っていた。上京にカウントしたのは歌詞を読んだ時に以下のようなイメージを持った楽曲だ。

  • 上京…4曲
  • 上京後…17曲
  • 上京する彼…1曲
  • 上京した彼…1曲
  • 上京した彼女…6曲
  • 上京した人を応援…1曲

割合としては「上京後」が一番多い。ちなみに「上京した彼女」は6曲のカウントだが、全てマイペースの東京とそのカバー曲だ。東京の動画を探してて、何十曲かに1曲のペースでマイペースのカバーが見つかったから完全にこの曲を覚えた。

これだけカバーされているということは人口に膾炙しているのは間違いない。年代が上の人と音楽の話になったときは「マイペースの東京って曲いいっすよねー」といえば上機嫌になってご飯を驕ってくれるかもしれない。要チェックだ。

曲に出てくる地名

続いて「東京」という曲には都内の地名が出てくることが多い。実際どんな地名が登場したのかまとめてみる。

東京全域の地図に歌詞に登場した地名を書き記した。お分かりの通り右側の23区内に集中している。ちょっとこれだと細かく見れないので右半分を拡大した画像も用意しよう。

23区の中でも渋谷・新宿・港区あたりを中心に円のように広がっている。これはやっぱり東京のイメージが、渋谷や新宿、六本木などのザ・都心に集中しているからだろうか。もしくはミュージシャンを志す人たちが生活の拠点にするのがこのあたりなんだろうか。このラインナップで西馬込と調布のダークホース感が強いよね。東京が身近じゃない人でも六本木とか渋谷とかはイメージできるけど、西馬込と聞いて正直何をイメージしていいか分からない。

ただ迷ったのが、この地名が駅名として使われているのか地名として使われているのかの区別だ。●●駅とついていれば確実に駅名だけど、先ほど触れた西馬込も「駅」とついていないが、歌詞の流れ的には駅っぽい。そう言い出すと地名と駅名が区別できなくなるので「●●駅」や「●●改札」と記載されたものだけを駅にカウントした結果以下の駅名が存在した。

  • 東京駅
  • 恵比寿駅
  • 新宿駅

意外に少ないと思うかもしれないが、具体名を記載せずに「三番線」とか「駅のホーム」とか「電車」とか都内のどこかの駅を歌詞に登場させている曲が多い。以下の歌詞をカウントした場合、37曲もの楽曲が電車や駅に関係するワードを歌詞に登場させていた。

  • 最終電車
  • 黄色い電車
  • 三番線
  • ベンチの無い駅のホーム
  • 電車内
  • 下りのプラットフォーム
  • 車窓
  • 東京メトロ
  • ホーム
  • 改札
  • 地下鉄
  • 満員電車
  • 改札口
  • 電車
  • おんぼろ列車
  • 駅のホーム
  • 電車の中
  • 地下鉄の中

星が見える・見えない

東京を冠する曲で「星が見えない」と歌っているイメージがあるのは俺だけだろうか。ところが、165曲調べたところ「星が見えない」だけではなく、それを逆手にとって「星が見えないと言われているけど、実は見えてる」みたいなことを歌ってる人もいた。歌詞で星の見え方について言及している曲をピックアップして「見えない派閥」「見える派閥」に分けてみた。

【見えない派閥】11件

  • 星は消えて
  • 星一つ見えない
  • 星の一つだって見えやしない
  • 星空が風邪をひいて
  • 星も見れず
  • 星も見えない
  • 星が見えない
  • 星さえ見えない
  • 光ってるはずの星が見えない
  • 星のない空

【見える派閥】9件

  • 星屑に手の届く
  • 強かに星が光る
  • 目を凝らせば星だって見える
  • 夜の空が星が少なくて
  • 星が降る
  • 星が光ってる
  • 小さい空でも光る星
  • 星は見える
  • 星の輝き

だいたい半々くらい。少しだけ見えない派閥がリードしている状況だ。だけど165曲調べて20曲しかないところを見ると、そもそも星が見える、見えないをみんな取り上げていない。勝手な俺のイメージだった説が濃厚だ。

165曲の中で個人的に好きな曲

そんな感じで色んなミュージシャンたちの「東京」を聴いてきたわけだけど、個人的に好きだった曲を何曲かピックアップする。

踊ってばかりの国 東京

2000年代のロック小僧たちを魅了した踊ってばかりの国。サビが「東京」オンリー。まさに東京という曲名を冠すべき曲。東京オブ東京。歌詞の内容も見事に世相を切り取っていて、現代の「東京」そのもの。

GEZAN 東京

前述した踊ってばかりの国が東京で「夢の墓場じゃない」と歌っているのに対して、この曲では「東京 言葉にした時最初のイメージ 夢の墓場」と歌っている。歌詞も現代の塊をぶつけられているような感覚になる。痛烈な歌詞の中の随所に優しさも散りばめられていて、そのバランスが絶妙だった。このバンドのギターボーカルは「マヒトゥ・ザ・ピーポー」という人らしい。何者なんだ。

GOING UNDER GROUND 東京

中学生の頃よく聴いていたなぁって懐かしくなった。久しぶり、GOING UNDER GROUND。田舎育ちの俺は当時東京なんて滅多に行くことなんかなくて、特に刺さる要素なんて無かったはずなのに、この曲好きだったな。東京に来てだいぶ経つけど、改めて聴いても良い曲だった。

イトデンワ 東京

曲の展開、サビが綺麗。良い曲。このバンド気になって調べてみたら2018年に活動終了してた。当時知ってたらライブで観てみたかったな。気になって調べて活動終了してた時ほど空しいことはない。自分のアンテナの甘さが憎い。

アンダーグラフ 東京

歌いだした瞬間に溢れるアンダーグラフ感。これこれ!って感じ。お久しぶりです。アンダーグラフ。中学時代は本当にお世話になりました。改めて聴いてみても彼らは力強い歌声でかっこいいよね。最新の曲とか聴いてみたけど、「ストライド」とか疾走感があって良いね。

藤川千愛 東京

歌詞が等身大。なんか年相応じゃない曲が巷で蔓延ってるじゃん。注目の女子高生にザ・大人が作詞した大人に刺さるような歌を歌わせるみたいな。今に始まったことじゃないし、別にそういうのもあっていいと思うけど、そういうのよりも曲に説得力があって魅力的に感じる派閥です。

共通化なんてできなかった

正直調べてみようって思ったときはさ、もっと共通項が多くて色んなパターンで対立軸を作れると思ってた。でもさ、表現が多彩。ミュージシャンすげぇ。意味は同じかもしれんけど、表現の仕方が作詞者によって全然違う。っていうか表現違ってたら意味は厳密に言えば違ってくるわけで、そしたら同じこと言ってる曲なんて一つも無い訳で。って考えたらもうオンリーワンだった。

特定の曲名をひたすら調べてみると面白いので、時間を溶かしたい人におススメ。あと、ひたすら同じ曲名を調べて聴くという明らかに検索のレコメンドアルゴリズムに悪影響を与えるだろう行為に背徳感を感じて楽しいです。腐れレコメンド。自分で探して自分で選んで自分で聴くんじゃい。

ってわけで4月から新生活をする皆さんは頑張ってください。

おわり。