漫才ネタのフリー素材「サークルの勧誘」

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どうも。皆さまお変わりなく。普段生活していて急に漫才しなきゃいけなくなったとか、ライブ当日でも全く漫才ネタができてないとか日常生活あるあるだと思います。

そんなあなたにフリーの漫才ネタ書いてみたのでもし必要な方はご自由にアレンジして使ってくだせい。

サークルの勧誘

ボケ(以下ボ)「いやぁ、めでたいねぇ!めでたいめでたい!」
ツッコミ(以下ツ)「急にどうした?」
ボ「ほら、4月といえば入学シーズンじゃん」
ツ「あぁ、なるほど。新入生たちはもうウキウキワクワクだよな」
ボ「それもそうだけど、特にめでたいのは新大学生たち!」
ツ「え?なんで?」
ボ「必死に受験勉強した頭が大学生になるとぜーんぶ吹っ飛ぶからさ!」
ツ「は?」
ボ「まさに”おめでたい頭”ってね(肩をすくめる)」
ツ「……」
ボ「どうもありがとうございましたー!(一礼して去ろうとする)」
ツ「待て待て!終われるかぁ!こんな寒いジョークかましただけで終わろうとすんな!」
ボ「(不服そうな顔)」
ツ「なんだその顔は!当然の流れだろ。それはいいとして、新大学生たちに失礼なこと言うなよ。ここからきちんと勉強に励む人たちもいっぱいいるんだからさ」
ボ「いやいや、何をおっしゃる。大学生なんて不真面目になるもんだよ。ほら、見て俺のこと(自分を指さす)」
ツ「……なんだよ」
ボ「不真面目な大学生の成れの果て」
ツ「うん。こんなやつにはなりたくないよな」
ボ「ですよね!皆さんも気を付けて大学生活を送りましょう!こちらからは以上でーす!(片手にマイクを持って大きく手を振る素振り)」
ツ「中継の天気予報士か!すぐに終わらせようとすんな!」
ボ「でもさ、気を付けたところで無駄だって!」
ツ「なんで?」
ボ「サークル入っちゃったらもうね。終わり。めでたしめでたし」
ツ「さっきから終わらせんの好きだなぁ。どうしてよ」
ボ「サークルにはいろんな誘惑があるんだって。サボり魔の先輩とか、すぐ飲み会を開く飲んだくれの先輩とか、童貞を食べちゃうギャルの先輩とかさ。あぁ!俺もギャルの先輩に食べられたい!!!!」
ツ「欲望丸出しじゃねぇか」
ボ「そうなんだよ。サークルなんて煩悩のオンパレードだろ?だからさ!ここは先輩としてバシっとお手本見せようかなって思って」
ツ「お手本?さっき『俺もギャルの先輩に食べられたい』とか言ってたやつができんの?」
ボ「いや!俺なんかになるとそういう煩悩にまみれたサークルは勧誘の時点でわかっちゃうから。びしっと断れる。自信ある」
ツ「ほんとかよ。じゃあ俺がサークルの勧誘やるから、お前新大学生な。(役に入る)オールラウンドサークルでーす。楽しい大学生活送りませんかー(ビラを配る素振り)」
ボ「う~ん。勧誘がたくさんいてどれがいいのかわからないなぁ(キョロキョロする素振り)」
ツ「そこの君、サークルは決めた?」
ボ「あ、いえ。いろいろありすぎてどこがいいのかわからなくて……」
ツ「それなら俺らのサークルどう?(ビラを渡す素振り)」
ボ「これは……ギャルのパンティ?(受け取る素振り)」
ツ「なんでだよ!その時点でアウトなサークルじゃねぇか」
ボ「くんくん(匂いを嗅ぐ素振り)」
ツ「匂いを嗅ぐんじゃない!気持ち悪い!っていうか煩悩に抗う話どこいったんだよ。サークルのビラだよこれは!(もう一度渡す素振り)」
ボ「……オールラウンドサークル?何をするところなんですか?(ビラを読む素振り)」
ツ「日によって違うんだけどサッカーとかテニスとか球技系もやるし、鬼ごっことか皆で体動かしたりするところかなぁ」
ボ「そうなんですね……ぼく、運動あんまり好きじゃないからなぁ」
ツ「あ!そういう人も結構いるよ。運動苦手な人はDSとか持ってきてゲームしたりしてる。君はゲーム好き?」
ボ「う~ん。ゲームはそんなにやらないんですよねぇ」
ツ「そっかぁ。でも飲み会にだけ顔出す人もいるよ。同じ学部の友達とか欲しくない?」
ボ「う~ん。友達もあんまり欲しくないんですよねぇ。あとお酒苦手だし」
ツ「え?友達も欲しくないの?あ!もしかして彼女がいるから友達いらないタイプ?」
ボ「いや……彼女はいないです」
ツ「お!それなら彼女見つけにおいでよ!うちのサークルさ、隣の女子大と合同だから可愛い子いっぱいいるよ!」
ボ「入ります!(即答)」
ツ「なんでだよ!!!!今までの質問うまくかわしてたのに可愛い子の話で急に食いつくなよ!」
ボ「だって可愛い子の話には勝てないよ~!(情けない感じで)」
ツ「情けない声出すなって。びしっと断るって話どこ行ったんだよ」
ボ「いや、このサークルは割と健全だった。お前が健全っぽい勧誘するから断れなかったの!」
ツ「人のせいにすんな。そんならお前が健全じゃない勧誘やってみろって。俺が新大学生やるから」
ボ「ねっえ~ん?あなたぁ……もしかしてぇん。しんにゅうせい~?(女性っぽい声でセクシーポーズを取りながら近づく)」
ツ「なんかやばい人いる!目合わせないでおこう(相方を背にする)」
ボ「つ・か・ま・え・た!(後ろから抱き着く)」
ツ「ぎゃー!!!!」
ボ「ねっえ~ん。キミってぇ~。どんなことされるとウ・レ・シ・イ?(相方の胸元を指でさすりながら耳元でささやく)」
ツ「え、え、えっと、えっと(取り乱す)」
ボ「ウブな子。ワタシの好み!もしもぉ。キミがぁ。ワタシたちのサークルにぃ入ってくれたらぁ」
ツ「ど、ど、ど、ど、どうなるんですか?」
ボ「あなたのことぉ、食べちゃう!(相方の頭にかぶりつく)」
ツ「ギャー!痛い!ってなにやってんだよ!!!(相方を振りほどく)」
ボ「健全じゃない勧誘っていうのはこういうことだから」
ツ「アブノーマルすぎるだろ!何なんだよお前の設定」
ボ「後輩のことを食べちゃうギャルの先輩」
ツ「お前のギャルの概念狂ってるわ!あと後輩食べちゃうって物理的に食ってたじゃねぇか。怖っ!なに?お前のサークル食人サークルかなんかか?」
ボ「男も女も皆食べちゃうオールラウンドサークル」
ツ「男も女もって意味でオールラウンド?やばいやばい!じゃねぇわ!こんな勧誘誰でも断るっていうか一目散に逃げるわ!お手本になんねぇよ」
ボ「いやでもさ、勧誘してる側も毎年勧誘して慣れてるから。健全っぽくするのが上手いのよ」
ツ「まぁね。きっと勧誘の方法とかも先輩から教わってるだろうしな」
ボ「だからね。新入生は騙される人の方が多いと思うの。だから入った後の方が大事なんだよ」
ツ「急に今までのくだり全否定したな。まぁいいけど。そんで?」
ボ「入った後に先輩とかが『次の授業?いいよサボっちまえって』とか誘惑してきたときにどう断れるか!これが重要!」
ツ「あぁ、たしかに。そういう先輩はいたな。でも先輩って基本的に怖いから新入生が逆らうの難しくない?」
ボ「俺なら大丈夫!自信ある!」
ツ「お前さっきのくだりも自信あるって言ってダメダメだったじゃん」
ボ「今回の自信はすごいから。すごい自信。そりゃもうすごい自信」
ツ「壊滅的なボキャブラリーだな。そんなに言うなら見せてもらおうか。俺は先輩やるから、お前後輩ね。(役に入る)あぁ~授業かったりぃなぁ。なぁお前もそう思うだろ?」
ボ「え?ぼ、ぼくですか?」
ツ「お前だよ。そうだ、次の授業お前もサボれよ。大学生になったら授業の一つや二つサボらないとなぁ」
ボ「そんな。ぼく次の授業楽しみにしてるんですけど」
ツ「大丈夫だ。俺といる方が楽しいだろ?」
ボ「いえ(ボソっと言う)」
ツ「あ?(挑発的に言う)」
ボ「た、た、楽しいです!」
ツ「そうだろ?だからサボろうぜ?」
ボ「じゃあ、こうしましょう。この箱を先輩にあげます(箱を渡す素振り)」
ツ「箱?これなんだよ?」
ボ「この箱はギチギチに閉まっています。中に何が入っていると思います?」
ツ「はぁ?軽いし何も入ってねぇんじゃねぇの?(箱を振る素振り)」
ボ「その箱には”僕”が入っているかもしれません」
ツ「……頭おかしいのか?」
ボ「いえ、その箱には僕が入っているかもしれないし、入っていないかもしれない。要するにシュレディンガーの僕です。だから先輩は僕とサボる代わりにその箱の中に入っているかもしれないし、入っていないかもしれないシュレディンガーの僕と一緒に授業をサボってください」
ツ「……は?」
ボ「それでは!(立ち去ろうとする)」
ツ「おい!待てよ!」
ボ「えぇ……完璧だと思ったのに」
ツ「お前、俺のこと馬鹿にしてんのか?」
ボ「はい(ボソっと言う)」
ツ「あ?(挑発的に言う)」
ボ「いえ!とんでもありません!!!!」
ツ「だよな。だったら俺が一緒にサボろうって言ったらお前は?」
ボ「サボらないって言う。こだまでしょうか。いいえ、誰でも(CMっぽく)」
ツ「エーシー(CMっぽく)。っじゃねぇわ!さり気なく断んじゃねぇよ」
ボ「先輩!次の授業だけは出たいんです!お願いです!おねがインド象!パオーン(象の真似)。魔法の言葉でたのし~い。なぁかまぁが(CMっぽく)」
ツ「ぽぽぽぽーん!(CMっぽく)。っじゃねぇわ!エーシー引きずんな。あとそんな動物出てないだろ。適当なこと言いやがって」
ボ「わかりました。それなら追いかけっこしましょう。僕が追い付かれたら先輩と一緒に授業をサボります。追いつけなかったら諦めてください」
ツ「ふん。俺がお前に追いつけないっていうのかよ。やってやろうじゃねぇか」
ボ「よし。じゃあスタート!(逃げる素振り)」
ツ「待て!(追いかける素振り)意外と早いな。待て!あれ?見失った。ここ部室棟じゃねぇか。こんなところまで逃げやがって(相方に背を向ける)」
ボ「あっらぁ?あなたぁ。見ない子ねぇん(女性っぽい声でセクシーポーズしながら近寄る)」
ツ「ここは…もしかして男も女も食べるオールラウンドサークルの部室前……!?」
ボ「新入生じゃないみたいだけどぉ、とってもタ・ベ・ゴ・ロ(相方の背中をそっと触る)」
ツ「ひっ!聞いたことがある。後輩でも同級生でも関係なく食べてしまう伝説のギャルの噂を……」
ボ「私のこと知っててここまで来てくれたのぉ?ウ・レ・シ・イ!じゃあこの後何されるかもぉ。わかるわね?」
ツ「な、な、なにされるんですか?」
ボ「あなたのことぉ、食べちゃう!(相方の頭にかぶりつく)」
ツ「ギャー!痛い!ってなにやってんだよ!!!(相方を振りほどく)何だよこの展開!ありえねぇだろ!っていうかこんなギャル実在しないわ!」
ボ「いるかもしれないし、いないかもしれない。シュレディンガーのギャル」
ツ「だからさっきからそれ何なんだよ!いい加減にしろ!」
ボ「どうもありがとうございました~」