漫才ネタのフリー素材「後輩の指導」

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どうも。皆さまお変わりなく。普段生活していて急に漫才しなきゃいけなくなったとか、ライブ当日でも全く漫才ネタができてないとか日常生活あるあるだと思います。

そんなあなたにフリーの漫才ネタ書いてみたのでもし必要な方はご自由にアレンジして使ってくだせい。

後輩の指導

ボケ(以下ボ)「人に何か教えるのってめっちゃむずいやん」

ツっこみ(以下ツ)「急にどしたん?まぁたしかに難しいけども」

ボ「この前バイト先に後輩が入ったんだけどさ、いくら注意しても同じミスしちゃってさぁ。俺の指導が悪いんかなぁって」

ツ「あぁ~。誰しも通る道だな。そんで後輩がミスしたときに怒られんのは自分なんだよね。『お前がきちんと教えないからだ!』って」

ボ「そうなんだよ。自信なくしちゃってさぁ。ちょっと指導するとこやるから見ててもらえる?そんで気になったとこあったら言って」

ツ「おう。見てればいいのね。ビシッと指摘してやるから任せろ」

ボ「(手招きする素振り)ジョン!ジョン!ちょっとこっち来て!」

ツ「ん?ジョンって留学生のバイトなんかな?」

ボ「なんで何回言っても間違えるかなぁ…。ちょっとそこにお座り!もう!お座り!お座りもできないのか!」

ツ「お座りって…犬じゃないんだから…」

ボ「(しゃがむ)…でも言うこと聞かないのにこーんな愛らしい顔しちゃって!よーしよしよしよし(撫でくりまわす素振り)」

ツ「ちょっと待って!…うん、おかしい。おかしいよね…ちょっと立って(相方を立ち上がらせる)」

ボ「ん?」

ツ「…(間を空ける)ワンちゃんじゃねぇか。え?なに?お前の後輩ってワンちゃんなの?」

ボ「いやぁなかなか人集まらないから店長がこの際ワンちゃんでもいいかぁって。『猫の手ならぬ犬の手借りちゃうか』って(笑)」

ツ「店長頭おかしいのか!ぜんぜん状況改善しねぇわ!むしろ人手足りないときにワンちゃんの世話増えたら余計てんてこ舞いだわ」

ボ「(爆笑)」

ツ「…何がそんなに面白いんだよ」

ボ「犬なのに猫の手って(爆笑)」

ツ「どこでツボ入ってんだよ!ぜんぜん面白くねぇわ!後輩がワンちゃんじゃないパターンにしろよ。よし、じゃあ俺が後輩役やるから、お前は先輩な」

ボ「おう後輩。カロリーメイト全種類買ってこいや」

ツ「パシるな!あとあれ種類制覇するもんじゃねぇから。パシるにしても一種類にしとけ」

ボ「おう後輩。食べっこ動物のキリンさんだけ買ってこいや」

ツ「一種類って言ったけども!キリンさんて!食べっこ動物はバラ売りじゃねぇんだ。それは全種類で良かった!あと怖そうに言ってるわりにさっきからチョイスが可愛いな」

ボ「おう後輩…」

ツ「ちょい待った!別に後輩へのパシり方練習するって言ってねぇだろ!後輩がミスしたときの先輩としての注意に自信ないから、それ練習しておきたいって話だったじゃん!なんで『おう後輩』とかやって流れ乱してんだよ!さっさと本題に入らせろ!!!」

ボ「……落ち着いた?」

ツ「…(息を整える)…あぁ…大きな声出してごめん」

ボ「次から気を付けろよ」

ツ「うん……って何で俺が悪いみたいな流れになってんの?自然すぎて気づくの遅くなったわ。じゃなくて、さっさと本題入るぞ。俺が後輩!お前が先輩!はい、スタート!」

ボ「ちょっと○○(相方の名前)。来てもらっていい?」

ツ「はい。先輩!どうしました?」

ボ「(殴りかかる)お前!この野郎!」

ツ「え?え?え?なに?なに?なに?…ちょっと待って」

ボ「なんだよ」

ツ「お前こそ急に殴りかかってきてどうしたんだよ」

ボ「ミスした後輩に対して注意した」

ツ「怖っ!おまえいきなり暴力はないわ!急に殴りかかってきてお前の正気を疑ったわ」

ボ「じゃあどうすりゃいいんだよ」

ツ「こういうのは順番が大事なんだよ」

ボ「ジャブからの右ストレート!みたいな?」

ツ「獰猛か!暴力から離れろ!まずは後輩を誉めて場を和ます。それからミスを指摘する。そうすると素直に受け入れられるもんなんだよ」

ボ「なるほどな。○○(相方の名前)~。ちょっと来てー」

ツ「はい先輩。どうしました?」

ボ「ここに来て三ヶ月経ったかな。お前はよく頑張ってるよ」

ツ「いえいえ、ありがとうございます」

ボ「雨の日も風の日も晴れの日も…頑張ってるよな」

ツ「えぇと…はい」

ボ「シフトに入ってるときも、入ってないときも…頑張ってるな」

ツ「…はい」

ボ「人間関係とか社会問題とかいろいろある中で…頑張ってるよな」

ツ「…はい?」

ボ「でもな!さっきのお客さんの注文間違えてたからそこんとここ気を付けろ!」

ツ「褒め方がド下手!そのあとの注意がぜんぜん入ってこない!頑張ってるなしか言ってねえじゃん!シフト入ってない日頑張ってるかどうかはわからんだろ。もっとちょっとしたことでいいんだって。やり直し!」

ボ「ちょっと○○ー」

ツ「はい先輩」

ボ「よし、ちゃんと迷わず来れたな。偉いぞ。ところでさっきのミスなんだがー」

ツ「褒めの次元が低すぎる!ちょっと○○って呼んで聞こえるくらいの距離にいるのに迷わず来れたねってバカにしてんのか!普通でいいんだって!接客の対応良くなったねとかでいいんだよ」

ボ「接客の対応がだんだん良くなってきたな」

ツ「ありがとうございます」

ボ「でもお客さんにすぐ殴りかかる癖は直したほうがいいな」

ツ「接客対応ぜんぜん良くねぇじゃん!お客さんに殴りかかるようなやつを接客で褒めちゃいかんて」

ボ「わからんよー。お前の指導の仕方が悪いんじゃないんか?」

ツ「ほう。俺だったらビシッとできるわ。そんならお前後輩で俺が先輩な」

ボ「おう」

ツ「○○(相方の名前)ー。おーい○○ちょっと来てー」

ボ「(遠くの方で四つんばいになってる)…」

ツ「あれー?おかしいなー○○ー?」

ボ「(犬っぽく)ハッハッハッ…」

ツ「ほらーおいでー!」

ボ「(相方の方へ寄っていく)…」

ツ「んー来れた!偉いねー(相方を撫でる)。おーよしよしよしよし」

ボ「(真顔)」

ツ「(しばらく撫でたあと立ち上がる)…ワンちゃんじゃねぇか」

ボ「犬なのに猫の手(笑)」

ツ「それはもういいわ!どうもありがとうございましたー」