WEBエンジニアにならない方がいい3つの理由

 

ネット上だとけっこう色んなところで「未経験でもWEBエンジニアになれる」とか「短期間でWEBエンジニアになろう」とかって広告見ますよね。私はWEBエンジニアではないんですが、その業種の方に話を聞くことが多いです。ただ、話を聞いているのは「ゴリゴリのスタートアップで最新技術バリバリ使って、未知の領域へ絶賛チャレンジ中」みたいなところや、エンジニアがリードして事業を行っているような会社ではありません。エンジニア職が紹介される際にそういったキラキラしたところにスポットライトが浴びせられますが、ほとんどの職場はせっせこ車輪の再発明をしているか、何十年と動いている化石のような言語の保守やアップデートを繰り返す毎日でしょう。今回はそういった会社に務めるエンジニアたちから聞いた話を一例として「WEBエンジニアにならない方がいい3つの理由」を紹介します。

 

雑務が多い

こちら有名フリー画像素材のサイトぱくたそさんですが、「エンジニアなんだからFAXも直せるでしょ」とタイトルが付けられています。これは結構ある話で、FAXを「プリンター」「ネットワーク」「パソコン」「通信速度」「パソコンのフリーズ」「メーラー」など色々「エンジニア」っぽいものだったら何でも当てはまると思った方がいいです。会社で例え開発エンジニアとして入ったとしても1日に何回かは会社のITサポートデスクみたいな業務が入ります。しかも頼んできた相手は直せることが当たり前と思っていることが多いです。例え本来の業務と関係ないとしても直せなかったらなぜか開発能力も疑われ、噂が広まれば査定にも影響します。

評価がされにくい

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営業職の評価方法は数字にしやすい。月の商談件数、成約率が個人およびチームの成績として現れる。会社の売上にも直結するため、営業自身も「自分が会社を回している」感や「会社に貢献している」感が出てモチベーションアップにも繋がるだろう。

一方でエンジニア職はどうだろうか。開発の現場ではプルリク数、コミット数、テストケースの数、書き上げたコード量など、保守や運用の現場であれば対応したインシデントの数や消化状況など数字にできるものは確かに存在する。だが営業職のように過程(月の商談件数や成約件数)と結果(売上)の因果関係を可視化しにくいため、評価が定まらない場合が多い。

売上見込が発生するのは、営業が契約成立した段階であり、エンジニアは見積の金額内でどれだけスケジュール通りに働けるかとなる。エンジニアの頑張りによって当初見積もった金額が跳ね上がることはない。逆に納期が遅れ、質の悪い顧客であれば遅れた分をペナルティにして値引きしろと言われ、営業側の成績も下がることになる。そうなると営業の意識としては「エンジニアのせいで売り上げが下がり、自分の成績が下がった」と認識される。そういった会社の場合、営業とエンジニアの間に見えない上下関係みたいなものが形成されてしまう。

そうなってくると営業からの印象評価がエンジニアの評価となってくる。「あいつがプロジェクトに入ると炎上することが多い」や「あの人は何でもyesで答えてくれるから優秀なエンジニアだ」など、信憑性があろうとなかろうと、そういった噂が評価の中心となる。つまり実力主義でも何でもない。ただ社内政治の上手い人が評価されることになる。

キャリアアップしにくい

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エンジニアは勤続年数に比例してどんどん転職しにくくなる職業です。その会社が一定期間ごとに常駐先が変わり、プロジェクトで扱う言語や開発方式が変わるなど、時に新しいことを挑戦する環境であれば話は別かもしれません。もし開発という名で同じシステムのアップデート作業や保守メンテナンスを永遠と続ける職場であれば、5年経ったときに間違いなく回りの技術や開発方式に乗り遅れているでしょう。

ただし、既存の製品がある限り、ほとんどの開発現場では新しい技術なんて使われていないことが多いです。新しい技術に追い付くのは他ならぬ自分自身の努力が必要となります。もちろん通勤時間、通常業務、残業で1日にどれくらい努力できる時間が残されているかは環境次第ですが。

つまりそういった努力をしないまま5年間経過してしまった時に、他の会社でそのようなエンジニアを採用したいかと言われるとNoとなります。Noとなりますが、そういったエンジニアしか集まらない場合、次は価格競争となります。応募のあったエンジニアたちの中で「給与条件」と「年齢」が天秤にかけられ、少しでも安く、少しでも若い人が雇われます。この繰り返しです。ただし努力と工夫さえすればこのスパイラルは抜けられるため、少しは救いがあると思います。

まとめ

というわけで「WEBエンジニアにならない方がいい3つの理由」をご紹介しました。WEBエンジニアになるハードルっていうのはもうほとんど無いのと等しくて、プログラミングの勉強なんてWEBサービスで簡単にできてしまうし、探せばいくらでも短期スクールが見つかります。短期スクールに入れば、就職先も斡旋されるだろうから、質を重視しなければ就職は容易いでしょう。だが趣味で気軽に始めてみて「何か作るのって楽しい!」くらい動機では続けるのは困難なことは間違いありません。それでも目指したいという方はこちらも参考にしてください。